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元炭鉱跡地の太陽光に3.5億ドル、Meta契約が変える再エネ融資の常識

元炭鉱跡地の太陽光に3.5億ドル、Meta契約が変える再エネ融資の常識

ニュースの概要

スペイン発の再生可能エネルギー企業Zelestraは、米インディアナ州で進める203MWの太陽光発電所「Reclamation Solar」について、総額3億5,000万ドルのグリーンファイナンスを確保した。融資を担うのはCIBC、BBVA、ソシエテ・ジェネラルの3行である。返済の裏付けとなるのは、Metaとの長期電力購入契約だ。建設地はかつての炭鉱跡地で、約32万5,000枚の両面受光型パネルを並べる計画となっている。石炭の町だった土地が、データセンター向けの電力を生む拠点に変わる。この一件には、資金調達と土地活用の両面で、再エネ事業の新しい型が表れている。

引用元: Zelestra、Meta向け米国太陽光発電事業で3億5,000万ドルのグリーンファイナンスを調達(ESG Today)

分析・見解

融資を支えたのは日射量ではなくMetaの信用力

今回の資金調達で最も重いのは、Metaと結んだ長期の電力購入契約である。電力購入契約とは、発電した電気を決まった価格で長期間買い取ると約束する契約のことだ。銀行から見れば、これは売上が何年も先まで見通せる保証書に近い。太陽光は天気次第で発電量が変わるが、買い手が世界有数のIT企業であれば、電気を売れないリスクはほぼ消える。

だから3行は、天候よりも買い手の支払い能力を主に見て貸したと考えられる。同じ203MWの発電所でも、市場価格で電気を売る事業なら、融資条件は大きく厳しくなる。

炭鉱跡地を選ぶと得をする理由

建設地が元炭鉱という点は、話題づくり以上の実利を持つ。新しい発電所づくりでいちばん時間がかかるのは、土地の確保と送電線への接続である。炭鉱跡地には、過去の石炭火力や鉱山のために引かれた送電設備が残っていることが多い。接続待ちの行列に並ぶ時間を短くできる可能性がある。

また、農地や森林を潰さないため、地元の反対も出にくい。米国では2022年のインフレ抑制法以降、石炭地域での再エネ投資に税額控除の上乗せが用意されており、採算面でも後押しがある。

両面受光パネルが選ばれた背景

約32万5,000枚という両面受光型パネルは、表だけでなく裏側でも地面からの反射光を拾って発電する。一般的な片面パネルより、条件次第で数%から1割ほど発電量が増える。土地が平らで、地面の反射を確保しやすい跡地は、この方式と相性がよい。

電力を買う側は、同じ価格でより多くの電気が手に入る。貸す側は、収入の安定度が上がる。三者にとって利点がそろった選択だといえる。

比較すべき事例と、独自に注目したい点

似た構図は、Googleやマイクロソフトが進めるデータセンター向けの再エネ契約にも広がっている。ただ、今回のように、電力需要の大きい企業が、地域再生の物語まで一体で買う例は新しい。

筆者が注目するのは、環境対応が企業の宣伝から、融資の条件を良くする道具に変わった点である。Metaは電気を買うだけでなく、事業全体の信用を発電所に貸している。この構図が広がれば、買い手の信用力が低い中小の発電事業者は、資金調達で不利になりやすい。再エネ市場の中で、資金の集まりやすい事業と、そうでない事業の格差が開く恐れがある。

ビジネスへの影響

電力を買う側の企業が今から考えること

自社で使う電力を再エネに切り替えたい企業にとって、長期契約は調達の選択肢になる。ただし、契約は10年から20年と長い。価格の決め方、発電量が足りないときの扱い、途中解約の条件を、契約前に詰めておく必要がある。

また、契約の相手が資金調達しやすい事業かどうかも見たい。融資が付かなければ、発電所は建たず、約束した電気も届かない。

発電や開発に関わる企業への示唆

事業者側は、買い手の信用力を土台に資金を集める手法を、自社の案件にも当てはめられる。大手と組めない場合は、複数の中堅企業をまとめて買い手にする方法や、自治体との連携も考えられる。

土地探しでは、炭鉱跡地、工場跡地、廃棄物処分場といった活用されていない土地が候補になる。送電設備の有無を、早めに調べておくことが重要である。

金融機関と投資家が見る点

融資や投資をする側は、買い手の信用力に加えて、土地の汚染対策費や、設備の劣化に備えた積立があるかを確認したい。跡地は安く使える反面、地盤や環境面の想定外の費用が出やすい。契約書のなかで、その負担を誰が持つのかを明確にしておくことが、後々の紛争を避ける近道となる。

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